スーパーで買い物をしていたポンコさんとニャンコさん。
ポンコさん「ニャンコさん、魚が半額だよ」
ニャンコさん「あ、ほんとだ。これ買おうっと」
ポンコさん「え、それどうやって調理するの?」
ニャンコさん「煮付けにするよ」
ポンコさん「やっぱり煮付けかぁ。私、魚料理ってなんとなーくハードル高いんだよね」
ニャンコさん「そう?」
ポンコさん「うちの旦那さん、お義母さんが作る煮魚が好きなんだよね。おいしいって言ってるから、私も作ってあげたいなとは思うんだけど……なかなかね」
ニャンコさん「煮魚、難しそう?」
ポンコさん「うん。魚の処理もあるでしょ? 煮汁とかも難しそうだし」
ニャンコさん「私の作り方、そんなに難しくないよ」
ポンコさん「ほんと?」
ニャンコさん「うん。一緒に作ってみる?」
ポンコさん「そんなに難しくないなら、ちょっとチャレンジしてみようかな」
ということで、半額で買った魚を持って、ニャンコさんの家で一緒に煮魚を作ってみることになりました。
ニャンコさん家の煮魚、材料はこれ
ニャンコさん「まず材料は、おろし生姜と、すき焼きのタレ。そして魚」
ポンコさん「えっ、すき焼きのタレ!?」
ニャンコさん「そう」
ポンコさん「煮魚にすき焼きのタレを使うんだ。へえー! っていうか、材料少なっ!」
ニャンコさん「ふふふ。今回は半額で見つけたババガレイを使うけど、魚は煮魚にしてみたい好きなものでいいよ」
ポンコさん「じゃあ、その日売ってる魚でもいいんだね」
ニャンコさん「うん。好きな魚で作ってみて」
【ここに材料の写真】
ポンコさん「じゃあ次は、生姜をすりおろすんだね」
ニャンコさん「ううん、生姜はすりおろさなくていいよ。ちょっと待ってね、冷凍庫から持ってくる」
ポンコさん「冷凍庫?」
ニャンコさん「はい、これ」
ポンコさん「え、凍ってる!」
ニャンコさん「生姜をすりおろして冷凍してあるの。これを凍ったまま使うよ」
ポンコさん「なるほどー。使うたびにすりおろさなくていいんだ」
ニャンコさん「そうそう」
生姜をすりおろして冷凍しておくと、使いたいときに凍ったまま使えて便利です。
【ここに冷凍ストックの記事への内部リンク】
すき焼きのタレで煮汁を作ります
ニャンコさん「じゃあ、煮汁を作っていこうか」
ポンコさん「はーい」
ニャンコさん「今日は冷蔵庫に二番だしがあるから、これとすき焼きのタレを合わせるよ」
ポンコさん「二番だしがないときは?」
ニャンコさん「ないときは水で大丈夫。煮魚のためにわざわざだしは取らなくていいよ」
ポンコさん「それなら家でもできそう」
ニャンコさん「でしょ。そこに、さっきの冷凍してあるおろし生姜をポン」
ポンコさん「凍ったまま入れちゃうんだ」
ニャンコさん「うん。このままで大丈夫」
すき焼きのタレと二番だしを合わせ、冷凍しておいたおろし生姜を入れて火にかけます。
生姜が溶けて煮汁が温まってきたら、ちょっと味見。
ニャンコさん「ちょっと味見してみて」
ポンコさん「うん……あ、甘いけど、生姜が入ると煮魚っぽいね」
ニャンコさん「でしょ」
ポンコさん「すき焼きのタレなのに、ちゃんと煮魚の味になってる」
ニャンコさん「じゃあ、これが煮立つまでに魚の下ごしらえしよう」
魚の下ごしらえをします
ポンコさん「きた、魚……」
ニャンコさん「まず水で洗おう」
魚をさっと水で洗います。
ニャンコさん「魚によっては鱗が残ってることがあるから、ちょっと確認してみて」
ポンコさん「鱗があったらどうするの?」
ニャンコさん「包丁の背を使って、身を切らないようにこそげ取る感じ」
ポンコさん「こう?」
ニャンコさん「そうそう、上手上手。そしたら表面にバッテンって切り込みを入れるよ」
ポンコさん「これが隠し包丁?」
ニャンコさん「そうそう」
【ここに隠し包丁を入れた写真】
ポンコさん「あ、なんか煮魚っぽくなってきた!」
ニャンコさん「ふふふ。これ、あと煮るだけだから」
ポンコさん「え? もう?」
ニャンコさん「うん。ほら、煮汁も煮立ってきたよ」
煮立った煮汁に魚を入れます
ポンコさん「ほんとだ!」
ニャンコさん「じゃあ、魚をそっと入れよう」
煮立った煮汁に、魚を静かに入れます。
魚が浸るくらいの煮汁にして、再び煮立つのを待ちます。
【ここに煮ている写真】
ポンコさん「あ、またブクブクしてきた」
ニャンコさん「そしたら弱火にして、あとは魚に火が通るまで煮るよ」
ポンコさん「……それで終わり?」
ニャンコさん「うん。それで終わり」
ポンコさん「えー! 思ってたより工程少ない!」
ニャンコさん「私の作り方は、そんなに難しくないでしょ」
ポンコさん「うん。これなら私もチャレンジできそう!」
【ここに完成写真】
今回は、いつもの感覚で作り始めてしまったので、すき焼きのタレと二番だしの正確な分量は量っていません。
これは分量をきっちり再現するレシピというより、「ニャンコさん家では、こんなふうに煮魚を作っています」という、わが家の作り方です。
後日、ポンコさんから電話が
数日後。
ポンコさん「ニャンコさん、聞いて!」
ニャンコさん「なになに?」
ポンコさん「この前、たまたま魚が半額だったの!」
ニャンコさん「おお!」
ポンコさん「それでね、この前教えてもらったやり方で、旦那さんに煮魚作ってみたの」
ニャンコさん「おおー! どうだった?」
ポンコさん「おいしいって!」
ニャンコさん「よかったじゃん!」
ポンコさん「『お義母さんのとは違うかもしれないけど』って言ったら、『うん、これはこれでおいしいよ』って」
ニャンコさん「そっかぁ。よかったね」
ポンコさん「それでね、『これ、実はすき焼きのタレで作ったんだよ』って教えたの」
ニャンコさん「なんて言ってた?」
ポンコさん「『えー! すき焼きのタレなんだ。なかなかおいしいね』って」
ニャンコさん「ふふふ」
ポンコさん「だから『また魚が半額になってたら作るね』って言ったの」
ニャンコさん「うんうん」
ポンコさん「そしたら、『半額じゃなくても作ってよ』って(笑)」
ニャンコさん「あはは! そこ!?」
ポンコさん「それからね、『僕が煮魚好きだからって、作り方を教えてもらって挑戦してくれたことが嬉しいよ』って言ってくれたの」
ニャンコさん「そっかぁ。よかったね」
ポンコさん「うん。作ってみてよかった」
ニャンコさんも最初からこの作り方だったの?
ポンコさん「でもさ、ニャンコさんって最初からこんな感じで煮魚作ってたの?」
ニャンコさん「全然。私も最初は魚料理、苦手だったよ」
ポンコさん「え、そうなの?」
ニャンコさん「うん。レシピを見ながら煮汁をちゃんと量って、生姜もそのたびにすりおろして作ってたよ」
ポンコさん「じゃあ、なんですき焼きのタレになったの?」
ニャンコさん「あるときね、煮魚を作ろうとしたら砂糖を切らしてたの」
ポンコさん「それは困るね」
ニャンコさん「そう。『甘みどうしよう』ってキッチン見てたら、すき焼きのタレが目に入って」
ポンコさん「あっ!」
ニャンコさん「すき焼きのタレって甘いよね。よく見たら醤油も入ってるし、『これ、煮汁みたいに使えるんじゃない?』って思って」
ポンコさん「それで本当にやってみたんだ(笑)」
ニャンコさん「やってみた(笑)。そしたら思ったよりいい感じにできたから、そのまま旦那さんに出してみたの」
ポンコさん「なんて言ってた?」
ニャンコさん「『おいしいね』って」
ポンコさん「おおー!」
ニャンコさん「だから、『あ、だったらもうこれでいいじゃん。測らなくていいし、楽しちゃおう』って(笑)」
ポンコさん「あはは! それで今の作り方になったんだ」
ニャンコさん「そうそう。いろいろやってるうちに、自分がやりやすい形になっていった感じ」
自分がやりやすい方法が見つかれば、それでいい
私も最初から、今みたいに煮魚を作っていたわけではありません。
レシピを見て、分量を量って、生姜をすりおろして。
何度も作っているうちに、たまたま砂糖を切らしたことから、すき焼きのタレを使ってみました。
そして食べてもらったら、おいしいと言ってもらえた。
だったら、もうこれでいいじゃん。
測らなくていいし、楽しちゃおう(笑)。
そうやって、少しずつ今の自分がやりやすい作り方になっていきました。
ポンコさんも最初は、「魚料理って、なんとなーくハードル高い」と言っていました。
でも今回は、「旦那さんが好きな煮魚を作ってあげたい」と思って、ひとつ新しいやり方にチャレンジしてみました。
今回のお話は、「苦手なことにチャレンジする」というお話でした。
自分のためだったら、苦手なことは無理にやらなくてもいいのかもしれません。
でも、大切な人が好きなものなら、
「ちょっとやってみようかな」
と思えることもあります。
家族だったり、恋人だったり、友人だったり。
自分にとって大切な誰かのために、苦手なことにちょっとだけチャレンジしてみる。
そんなのも、たまにはいいのかもしれません。
もちろん、今回のやり方が自分に合わなかったら、また違う方法を試してみてもいい。
そうやって、自分がやりやすい方法を見つけていけばいいんだと思います。
ちなみに今回ニャンコさんが使った魚は、スーパーでたまたま半額になっていたババガレイでした。
ババガレイに限らず、「これ、煮てみようかな」と思う魚を見つけたら、自分のやりやすい方法で煮魚にチャレンジしてみるのもいいかもしれません。
ポンコさんみたいに、
「思ってたより難しくなかったな」
って思えるかもしれません。
そしてポンコさん。
次は半額じゃなくても、作ってあげてね(笑)。


